この違いを見れば日本の窓が駄目な理由がわかります
ヨーロッパでは窓の設計を行うにあたり、その窓全体の熱貫流率を計算するのはもちろんですが
その窓の最低部分の温度が何度になるのかということを非常に重視して設計します。
なぜなら最も表面温度が低いところが最も結露しやすいからです。
ヨーロッパでも樹脂、木製、アルミといろんなサッシがありますが、新築向けの
サッシは住宅用であろうがビル用であろうが窓の熱貫流率の最低基準が1くらいに
なっている(日本の売れ筋商品のほぼ5倍の性能、大手住宅メーカー標準の3倍の性能)
のでいかなるサッシであろうとこの点はしっかりと守られています。
ところが日本のサッシの場合これができていません。それがよく分かるシミュレーション
画像をお見せしたいと思います。ちなみに室温20℃外気温0℃でのシミュレーションです。
なお、この温度状況で相対湿度が50%であれば、10℃を下回る箇所は結露します。
上から順にL社のフラッグシップ商品「サー〇〇◯」
Y社のフラッグシップ商品「A〇〇〇〇◯」
EUの現行基準に則ったアルミサッシです。
なお上が外部側、下が室内側を表します。
これを見ていかがでしょう。国産の2つのサッシは新築での採用率は確実に5%を下回るような日本では最高スペックと言われる窓です。それでもガラスと枠の接合部当たりの温度が相当低くなっているのがわかると思います。
それに対してEUの窓は青っぽくなっている部分がほとんどありません。
だからこそ日本の窓は結露するのです。
業者側はいろんな言い訳をしますが、窓が結露するのは加湿器等が理由の場合も
なくはないですが、大半は単純に窓の性能が悪く、設計手法が間違っているからなんです。
日本の住設メーカーは頼んでもいないのに音の出る便器や、電動で開く引き出しがついたキッチン
などをどんどん出してきています。
その反面、入居後の不満足率が3番目に高い「結露」は放置し続けています。
(1位は暑い、2位は寒いでほぼ同率首位。結局すべて窓が最大要因です)
前にもお伝えしたように、結露するということは窓が除湿機になっているということです。
窓で除湿しながら加湿器で加湿を行なっている。それもひどい話ですが、それだけではなく
カビも誘発します。ここを放置したまま、音の出る便器なんかに貴重な御施主様の予算が
流れていってしまうことが、本当に残念でなりません。
工務店や設計事務所の皆さん、こんな予算配分は明日以降絶対にしないように!!