暑さと寒さは平均値よりむしろ「最悪値」で決まるように思われる。
今日は先日の浜松に引き続いて静岡県の東部にある沼津で講演しました。
新幹線は三島という駅で降りてそこから一駅でしたが、非常にゆっくりと
した空気の流れる町でした。しかしながら、講演後は非常に熱心に質問してくださる
方がいらっしゃり、たまだまですが、帰りの三島まで一緒の方向だったこともあり
帰りの電車までご一緒させていただきました。
ところで今日の題目は初めて使う言葉ですが、あえて「最悪値」と名づけてみました。
どういうことかというと、例えば、冬の平均体感温度が21℃あったとしても
床の温度が16,7℃くらいだと満足感が得にくいということ。
もうひとつ例をあげると、外出時顔と手以外は完全に防寒対策ができていても
手だけが異常に寒い状態・・・
このような状態を考えていただければわかりやすいかと思います。
人間、最も寒さを感じやすいのは足元です。次が手先だと言われています。
部屋の暖かさに関しても一般的には「平均値」において良し悪しが語られる
事が多いと思います。
しかし、実際には私の経験からすると、室温においてはいくら部屋の温度が
そこそこになっても足元の温度が20℃くらいを超えないとお客様からの
満足の声はいただきにくいものです。逆に足元でそれくらいの温度を確保できていれば
室温は18℃くらいでも満足感が高かったりします。
外出時も同じ話だと思います。全身防寒対策がきちっとできていても、手がかじかむ
ほど寒ければ、体表面積の9割が暖かいことよりも「手が冷たい」ことに意識が
いってしまいます。
これは皆さん実感があるのではないかと思うのですが、最も不利なところをかばうことで
凍傷等を防ぐ意味合いから来ているのかもしれません。
冷房に関しても同じことがいえます。最も暑さを感じやすいのは一般的にはおでこ
だと言われています。
車のエアコンでやってみればよくわかりますが、冷気を下から吹き出しても一向に
快適だとは思えません。逆に上から吹き出すと本当に快適です。
これもやはり「最悪」に感じるところを緩和することが非常に大きな効果を生む
例と言えるでしょう。
このように最悪に感じる部位の温度を「最悪値」と名づけましたが、
最悪値をベースに冷暖房を考えると、冷暖房費用をかなり節約しながら、快適性も
大幅に向上させることが可能になります。